姉の好きなハワイ

私の姉は海外旅行が好きである。
大して金もないくせに、今まで結構いろんなところに行っている。
もともと地理だとか、違う国の歴史や文化なんかが好きなようで、色々な国のガイドブックを集めている。

でも、そんな中でも一番好きなところはハワイらしい。
新婚旅行で行ったのがハワイだった、というロマンチックな感情も加味されているのだろうけれど、ハワイはとにかくよかったという。
ご飯も美味しい、ホテルも素敵、買い物が沢山出来た、という聞いているとごくごく月並みの理由だけれど、行ってみたことのない私には判断がつきかねる。
それで、何のプレゼンなんだかわからないが、やたらと私にハワイのよさをアピールしてくるのである。
先日は彼女の家に遊びに行くと、いつか特集されたという、テレビの旅番組のハワイ回の録画を見させられた。
行ったことのあるショッピングセンターやレストラン、泊まったホテルなんかが紹介される度に、憧れの嘆息を持って私に色々教えてくれる。
ここの何とか料理が最高に美味しかった、だの、ホテルにプールがついててね、だの。
私は黙ってふんふん聞いている。
残念ながら、私は海外の免税店やらの買い物に一向に興味がないので、おそらく彼女とハワイに行ったとしても別行動だとは思うけれども、それでも確かにハワイはすこぶるよさそうな土地だ。
独自の文化が顕著に花開いており、非常にオリジナリティがありながらも、移民を多く受け入れているだけあって、異文化に対する寛容度が高い。
そうした魅力こそが、観光客が他の国から(特に日本からだけれど)多く押し寄せる源なんだろうなと思う。
いつか行ってみたいところである。
でも、出来れば姉とはやっぱり別行動で臨みたいものだ。

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