実家で過ごした時間
実家に暮らしていた頃、学校や職場から帰って、夕飯作りの手伝いをすることがたまにありました。
料理が苦手な私ですから、手伝いと言っても、些細なことしかできませんでしたが。
私は、料理を作る母の隣で、学校や職場であった出来事を話すのが好きでした。
不思議なもので、居間にいる時よりも、台所にいる時の方が何だか話しやすかったように感じます。
母としては口よりも手を動かしてほしかったことでしょうね。
話題の多くは、その日にあった出来事だったのですが、将来の夢の話も良くしていました。
そこから喧嘩に発展することもあったように記憶しています。
しかし反対に考えれば、身体的にも精神的にも、それだけ近いところにいたと言うことなのですよね。
親元を離れ、連絡もたまにしかできていない今となっては、あの頃がとても懐かしく感じて仕方がありません。
今でこそこんな風にしみじみと思うことができるのですが、実家に暮らしていた10代~20代前半の頃は毎日が反抗期でしたから、何だか毎日プリプリしていたように思います。
何という勿体ないことをしているんだ、と昔の自分に言いたいものです。
それだけ、家族と過ごした時間と言うのは、私にとって貴重な、価値のある時間でした。
現在住んでいる場所から実家までは遠く離れている為、帰省をすることもなかなか難しいのですが、帰った時は小さな小さなものになってしまうでしょうが、恩返しがしたいな、と考えている今日この頃です。
実家で飼われていた白い犬
小学校5年生の時、帰宅する私の後についてきた子犬を3か月ほど飼っていました。
なぜ僅か3か月かというと、家族全員が犬嫌いというか犬を怖がる性格だったのと、ある日たまたま家に来た父の上司がこの犬をとても気に入ってしまい、父が快くお譲りしてしまったからです。
しかし、その3か月間は夏休み期間も含んでいたせいもあり、私にとってはとても濃密な時間となりました。
その子犬は、しばらく野良生活をしていたからか引き締まった賢そうな顔つきをしていたので、教えれば色々な芸当が出来るに違いないと私は直感してしまったのです。
とはいえ、犬のしつけかたは私も家族も知りませんから、家族が私を育てたのと同じことを子犬に命令していました。
かつて良い飼い主に育てられていたのか、かなりマナーの出来ている子犬だったので、子どもの私でも難なく接することができていました。
色々試行錯誤した結果、結局時々「お手」ができる程度にしか至りませんでしたが、1つの目標に向かって一人で一生懸命取り組んだことが、自分に自信をつけてくれました。
そういう意味では本当に貴重な経験ができたと思っています。
その後社会人になり、一度だけ犬のイベントに関わる仕事をしたことがあります。
様々な愛犬家の方たちにも出会いましたが、ごく稀に「私は犬が大好き=皆も犬が大好き」と思い込んでいる人がいて戸惑いました。
つまり犬が嫌いな人を認めないのです。
犬に限りませんが、誰にも好き嫌いはあります。
柔軟に受け入れる気持ちを持ってほしいですね。