高校野球シーズン
夏が近づいてくると、高校野球の季節である。
春と夏、2回もセンバツがあるが、やはりいきおい夏に肩入れしたくなる。
なんと言っても、高校三年生が最後に輝くのが夏である。
もちろん、最高に感情移入できたのは同年代であった高校時代だが、すっかり大人になってしまった今でも、遠く忘れていた青春を思い出させてくれるのが夏の甲子園である。
私が高校二年生だった夏も、自宅のテレビの前にかじりついて観た。
ちょうど応援していた学校が決勝まで残り、優勝したのもその夏だった。
私はよくある高校生の勘違いの例から漏れず、その学校のピッチャーにすっかりのぼせ上がり、週刊の野球雑誌の甲子園特集号なぞを買い集めた。
若かったな、と思う。
ただ今でもその年頃に立ち返ったら、きっと同じことをするに違いない。
それ程に思い入れのある甲子園だが、大人になった今では、大切な本試合シーズンでも休みではないため、なかなか家でゆっくりテレビ観戦することができない。
時にはビデオに録画して、仕事から帰ってから見たりするが、世の中に出て働いていると、スポーツの試合結果を耳に入れることなく帰宅することの困難にぶつかるものだ。
電車内のテレビや、ラジオなんかでも試合結果というのは容易に知れてしまう。
知りたくなかった試合結果を、いらぬところから耳にしてしまったときのストレスときたら筆舌しがたい。
だから最近では端から、試合結果はインターネットニュースで入手することにしている。
先に知ってしまうと、意外と心穏やかにいれるのである。
観れる試合だけ家で観る。
そのスタンスにしている。
高校野球と言うドラマ
毎年夏の楽しみといえば、高校野球。
各都道府県の強豪校を倒して勝ち上がってきた49代表が、白球追いかけて熱戦を繰り広げる15日間は、見ているこちらまで熱くさせます。
同時に、大人になったいま、青春の甘酸っぱさや、もうこの頃には戻れないという事実を噛みしめる。
当時野球部だったあの元彼は今なにやってんだろうな〜?と、部活後に汗を掻いたまま自転車を飛ばして逢いに来てくれていたことや、砂がたくさん付いた部活バッグを思い出す。
今年の甲子園で、試合に負けた球児と抱き合う彼女の姿が激写され、ちょっとした話題になった。
まさに絵に描いたような「甘酸っぱい青春」がそこにはあった。
そんな高校時代を送れなかった大人たちの嫉妬心によって、その写真はネットで拡散された。
男ならスポーツに打ち込め!女に現を抜かしてたから負けたんだ!そんな嫉妬コメントと共に。
高校時代憧れたシーンとしては、エースピッチャーの彼氏に、手作りの御守りを渡していること。
ピンチのとき、さりげなく御守りを入れたポケットにタッチしたり、首から掛けた御守りをアンダーシャツの中から出してギュッと握りしめる。
そして彼が投げたボールは綺麗なストレートとしてミットに収まり、バッター三振、試合終了。
勝利校の校歌を歌い上げて、アルプススタンドに向かい一礼。
そのときに、たくさんいる応援の中から迷うこと無く私の姿を見つけて合図する。
そんなドラマや野球アニメの世界観だが、エースピッチャーの彼女としての姿に誰もが一度は憧れたことがあるだろう。