楽しい後の悲惨な出来事
21歳から25歳まで、仕事で東京出張することが多かった。
二週に一回、水曜日は日帰りで会議に出席するためだ。
ちょうどその間に付き合っていた彼は、毎週水曜日に東京出張していた。
しかも、使う航空会社が同じで、私の方が一便遅かった。
何時の便を取ろうが、会議にさえ間に合えば問題ないので、彼が乗る便に合わせることにした。
彼の家に泊まって、二人で5時半に起きて朝食を食べてから空港に行くための電車に揺られる。
空港についてコーヒーをすすって、始発便に乗り込む。
彼は機内の前の方にあるリッチな席が会社で予約されているらしく、私は会社から普通席を予約されていた。
始発便はほぼいつも満員だし、席は変えられないので離れて座っていた。
飛行機の中ではいつも爆睡するので、間抜けな寝顔を見られないので私にとっても都合が良かった。
そんなことがあったので出張も楽しかった。
しかし、その彼と別れた後が最悪だった。
また飛行機の便を始発から一つ遅い便にしてもらい、顔を合わせないようにしていた。
彼が水曜日に出張していることなんて忘れがちになっていた一年後、ばったり機内で出くわした。
リッチな前方席から搭乗開始になり、普通席の客がリッチ席を通りながら搭乗する。
朝早くてすっぴんだった私はあくびしながら自分の搭乗すると、席に見慣れた顔が!
私がすっぴんだったからか、向こうは気がつかなかった。
私はさらに一便遅らして乗ることに決めた。
にもかかわらず、朝の時間帯は20分おきくらいに福岡羽田便が飛んでいるので、羽田空港でばったり会うことになってしまった。
幸い、いまから化粧をするので向こうは気がつかない。
微妙な別れをしていただけに非常に気まずい。
またしばらく時間が経ったころに、そんなことも忘れていたある日、ついに羽田空港で見つかってしまった!名前を呼ばれて振り返ると血走った目の彼。
いま思い出しても戦慄の瞬間だ。
まだ朝の8時台後半なのに、やりなおしたい的なことを空港で言ってきて、逃げるように振り切った。
次回からは違うターミナルに降り立つ航空会社に替えてもらったのは言うまでもない。