優秀な兄を目標にする

兄は頭が良い。
勉強ができるという意味でも、仕事ができるという意味でも、とても頭が良い。
兄は塾に行ったこともなく、家庭教師に教えてもらうこともなく、家で宿題をするくらいだったが、常に学年トップレベルの成績を修めていた。

高校入試の際、文系であるのにも関わらず、数学の試験結果がとても良かったらしく、数学は特別クラスに配属された。
しかし、本人は勉強に真剣に打ち込む気は毛頭なかった。
それなりに勉強してそれなりの大学に行ければそれでよいという考え方だった。
それ故、希望もしていないのに数学が特別クラスとなり、更に普段のクラスも普通科ではなく準特進であることに強い不満があった。
日々、課題に追われ、小テストの勉強に追われ、結局兄は2年に進級したばかりの頃に我慢の限界がやって来て、遂に高校を中退した。
その後、通信制の高校に通った。
学歴こそ高卒どまりだが、その後の就職でも兄は持ち前の頭の回転の良さを発揮し、すっかり仕事ができる社会人となった。
私はそんな兄の頭脳が昔から羨ましくて仕方がない。
私も学生時代はそれなりの成績を修めることができたが、それは家庭教師についてもらって勉強したからであり、それ以外にも自習を行っていたからだ。
また、仕事でも効率よく進めることができず、自身の要領の悪さが嫌になる。
血の繋がった兄妹であるというのに、こんなにも差ができてしまうものなのか。
兄は優秀で、私はどちらかというと落ちこぼれというか鈍くさい。
兄のような頭脳が欲しい、何度思ったかわからない。
しかし、決して優秀ではない頭脳の私でも、兄を目指して日々頑張ろうと思うのだ。

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