仕事一筋は実は楽

10代の頃から、年上の男性と付き合うのが当たり前だと思っていて、高校三年生のときに初めて同い年の彼と付き合うことになった。
その彼を覗けば、ぜんぶ2つ以上離れた彼。

いまの彼は一回り離れている。
20代前半のときは、彼の「ステータス」にこだわっていた。
その年代の女にありがちな傾向だが、自分を棚に上げて人様の仕事などを「ステータス」だなんて失礼きわまりない話しだ。
その頃、好きなタイプを聞かれたら「忙しい人」と答えていた。

他の女友達は露骨に、年収○○万円以上!車はあのランク以上!といったような答え方をしていて、私はそれには引いていた。
でも正直気持ちは一緒。
オブラートに包んだ言い方として「忙しい人」だと答えていた。

忙しいほど仕事をしていて、高給取りな人、という気持ちを抱えていたが。
しかも「忙しい人」と言うと、仕事が忙しい自分を支えてくれる、という風に良いように解釈してくれる男の人が多い。
あまりマメに電話やメール、デートがなくても良いんだと「楽な付き合い」や「自立した付き合い」ができると解釈してくれることもあった。

できる人は電車の中でも情報収集

でも本当に忙しい人と付き合ってみたくて、理想のシーンとしては、電話をかけたときに「いま名古屋なんだ」とか「これから成田に向かうよ」とか言いながら、日本中、世界中をビジネスで駆け巡る彼、というのに憧れていた。
たまに帰ってきたときに連絡をくれて、疲れてるのに大丈夫?と気遣いつつも食事に行く。
そんな付き合いを期待していた。

しかし、歳を重ねるにつれて、本当に世界を駆け巡るエリート商社マンのような人と付き合えるようなステータスが私にはないし、そういった人は出会いのチャンスを削ってでもビジネスを追っている。
口に出して「俺忙しくってさ〜」という人は要領が悪い大人なんだと分かるようになった。
なんにせよ、仕事に打ち込むのはかっこいいんだけれど。

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