美味しかった披露宴の料理
以前友人の結婚式の披露宴で、東京湾の見える都内某ホテルに行った。
式が夕方からだったので、披露宴のパーティーはすっかり暗くなってからだった。
ホテルというだけあって、料理も随分と趣向を凝らしたものが出て、私はすっかり嬉しくなった。
友人達がみんな、ケーキ入刀や、最近ではすっかりお馴染みなったファーストバイトのシーンなんかを一生懸命写真に収めている間、私は目の前のお皿を空にするほうに没頭していた程である。
それにしてもあれはなに料理だったのだろう。
一生懸命に食べていた割には、あれが何の系統になるのかはいまいち分からない。
フランス料理のようでもあり。
おそらくは、フランス料理ベースの創作ということになるのだろうか。
ご飯の上にフォアグラをのせて、上からソースをかけたミニフォアグラ丼(丼というと急に色気が失せる)みたいなものが印象的だったのを覚えている。
私は個人的にはフォアグラというのは人間のエゴを具現したものだと否定的に思っているが、それで料理の味を不当に貶めるのは間違っていよう。
残念ながら、あれは美味しかった。
一通り、出されたコース料理を美味しく頂いた後、新郎新婦のところへ挨拶に行った。
来賓の相手に追われていた二人の料理皿は、ほとんど手が付けられていなかった。
一人でがつがつ食べていた自分を申し訳なくも思い、結婚式の大変さを改めて感じ入ったのである。
ところで、先に言及したとおり、そこのホテルの窓から東京湾が望めのだが、そこに浮かぶ屋形船の景色は格別である。
水面にゆれる灯の光がなんともノスタルジックである。
高級ホテルの贅を堪能した私は、飲み会のしめにラーメンが食べたくなる如く、そこの屋形船に飛んでいきたくなったのである。