男女比といものの重要性
ある国では、男子を産まない限り、嫁の名は墓や家系図に刻まれないそうだ。
もともとその国では、嫁いでも嫁の苗字は変わらず父方のものを名乗るそうなのだが、男子を産まなければその嫁の欄には「女」としか刻まれない。
男子を産んで初めて、その苗字を刻むことができるそうである。
それは現在でも続くしきたりだそうだ。
もしその家に女子しか生まれなければ、そのしきたりでいくと家系はそこで途切れるということになる。
女である自分の身から言えば、なんともむつかしい話である。
かように、結婚観というものは国によって千差万別である。
その上もし男女の出生率比が著しく違えば、両者の立場と言うものは更に異なってくるであろう。
おそらく、現在世界の男女の出生率というのは然したる差はないものと思うが、万一人間が三毛猫のようであったのならとんでもない世界になっていたはずである。
何故突然三毛猫が出てくるかといえば、三毛猫はオスが生まれる割合が極めて低いので有名であるからだ。
聞いた話によれば、1対9の割合がオスメス比であるとのこと。
いや、100匹に1匹しかオスが生まれないのであったか。
とにかくそれほどまでに比率が違うのである。
もしもそんな国があれば、男子を珍重するのも理にかなっている。
大切に育てなければ子孫が繁栄しない可能性もあろうというものだ。
それにしても、どうして三毛猫のDNAはかような男女比にしたものか。
現存している種であるということは、それも自然淘汰を乗り越えてきているということだ。
何か利点があってのことと思われるが、もしも人間がこのようであったらば、女子の権利はすこぶる低いものであったろうと考えると、空恐ろしい。